CT独自のモデル
CTは汎用の大規模モデルを自ら開発することはしません。代わりに、CTのシステムが正しく機能するために不可欠な二つの役割に絞った独自モデルを開発します。一つは回答が信頼に足るかを判定するモデル、もう一つは企業の業務に合わせてコストを下げるモデルです。いずれもCTの強化学習の手法で学習され、運用データが蓄積されるほど共に良くなるよう設計されています。
1. ハルシネーション検知およびシミュレーションモデル
エージェントが出した回答が根拠と合っているか、どこで食い違ったか を判定し、新しいエージェントやデータの変更を実際の展開前に シミュレーションで検証するモデルです。Qwen を基盤に、正誤を検証 可能な信号として学習させる RLVR(検証可能な報酬に基づく強化学習) の方式で開発しています。人の主観的な評価ではなく「根拠と一致 するか」という確認可能な基準で学習するため、業界規程や社内文書の ように正解が明確な領域で判定の精度が高くなります。このモデルが、 CTの自己改善ループにおいて「何が誤っていたか」を見つけ出す目の 役割を果たします。
このモデルは約27B規模で、最新の Opus モデルの92%の水準でハルシネーションを捉えます。モデルが小さいぶん、呼び出しコストは100分の1以下です。だからこそ、一部を標本として抜き取るのではなく、やり取りされるすべての応答を全数検査できます。
(比較チャートは近日公開予定)
2. コスト最適化に特化したモデル
企業内で実際にやり取りされるAIの質問と応答のデータを収集し、 頻繁に繰り返される業務類型に合わせた小型の特化モデルを強化学習で 開発します。単純で反復的な要求はこのモデルが処理し、難しい要求や 重要な要求だけを外部の高性能モデルに送るため、全体のトークン費用 が大きく下がります。企業が使うほどデータが蓄積され、その分だけ 特化モデルがより多くの要求を担うようになるため、コストは時間が 経つほど下がっていく構造です。このモデルはCTの自己改善ループに おいて「見つけた改善をコストとして還元する」役割を果たします。
3. シミュレーションモデル(Beta)— どう直すかを試し、選びます
問題が見つかったとき、直し方は一つではありません。データを整理し直すことも、検索の方式を変えることも、プロンプトやモデルを入れ替えることもできます。シミュレーションモデルは、それらの候補を実際の展開前に走らせ、性能とコストを併せて見ながら最も有望な候補群に絞り込むことを目指します。現在はベータ段階で、一部のお客様環境で試験中です。この段階ではエンジニアがCTの記録と評価結果を見て判断し、シミュレーションモデルはその判断を助ける補助的な道具として先に組み込まれています。ループの中でこのモデルが定着すれば、人は候補の中から最終的に選ぶことだけに関わるようになります。